家の自転車置き場に緑色の愛(自転)車をいれたところ、足下に灰色の毛玉みたいなものを見つけた。
よく見るとその毛もまばら、桃色の足が生えていて、白いくちばしもあるが、微動だにしない。ヒナだ、死んじゃったんだ、と気づく。
そのまま自転車の下に放っておくのもなんともいえないので、なんとか指でつかんで大丈夫だったので、埋めてやることにした。
途中、足をつまんで運んでいると、そんなに固くなってはいないためか、微妙に動いた気がしてびびって投げてしまった。もうそんなことはありえないくらい冷たくなっているのに、変なの。

そのまま桜の木のところに置いて、ちょっと土を掘ってやって、上にタンポポを乗せておいた。近くの橋から、変人扱いされる視線を若干感じたが、そんなのどうでもいい。
昔も陸上競技場で壁にぶつかって死んでた鳥を埋めてあげたことがあったの思い出した。花を運んでいるときに、なにしてるの? って先輩に聞かれて、答えたら不思議そうな顔してた。
まだ微妙に気分が晴れないけれど、悪いことした訳じゃないし、いいんだよね?
むしろ自分ちの近くで鳥のヒナが育っているかもしれない、と考えると、少し幸せ。

中途半端な都市部で生きていると、死なんて場面にどんどん遭遇しなくなる。あっても蚊くらい。
こういう気持ち、ときどき思い出さなくちゃ、と思った。



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